3月24日[火曜日]のお話
この日僕は堺のある現場まで
車で向かっていた。
得意先の部長との約束の時間は
15:00で.高速道路もスム-ズに
うごいている。
[この調子でいくと15分前には着くな。]
と心の中でつぶやきながら
ふと音のでないナビのボタンを
押してみた。
画面を見ると.なにやら野球の試合が・・・・
そう.今日はWBCの決勝戦である。
それも9回裏.韓国の攻撃
これはいいぞ.待ち合わせ時間には
まだ40分ぐらいある。
[この回で日本の勝利だ.最後まで見れるぞ]
僕はなんとラッキ-マンなんだ。
心はワクワク.
ダルビッシュよ 早く決めてしまえ!
思った瞬間・・・・・
韓国の同点弾・・・・
ええっ~
[何をしとんねん]
時間が-過ぎてゆく~。
高速道路を降り地道を走る
普通ならあと20分くらいで着くのだが
自然とゆっくりめに走ってしまう。
と イチロ-の逆転打
[やった--あ-あ-]
僕は車の中.一人感動していた。
こうなったら最後までなんとしてでも見たい。
ギリギリ着いたらいい
5分前になったら
[渋滞で少し遅れます。]
と連絡しようか.どうしょうか.
あと一人 この打者を打ち取ったら
日本の優勝だ!
でも.もう時間が・・・ない
僕は渋々待ち合わせ時間2分前に到着した。
するとエンジンをかけたままの車が一台
止まっている。
その車の横に駐車したとたん
運転席の窓があき
部長の涙目の顔がでてきて一言
「もうちょっと遅れてこんかい」
そう言いながら僕を助手席に誘った。
僕と部長はしばらく無言のまま
ナビを見ていた。
[おめでとう!! 日本代表]
そして
[ありがとうございます。部長]